第七章 司法

第八十八条

  • 司法権は、法律の定めるところにより、裁判所が行う。

第八十九条

  • 裁判所は、最高裁判所及び法律の定めるところによる下級裁判所をもって構成する。

第九十条

  • 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規則及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。

第九十一条

  • 最高裁判所は、法律の定めるところにより、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官をもって構成する。

第九十二条

  • 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が法律に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

第九十三条

  • 裁判官は、法律に定める資格を具える者を、最高裁判所の指名に基いて、内閣が任命する。

第九十四条

  • 最高裁判所の裁判官は、法律で定めるところにより、衆議院議員総選挙の際、国民の審査に付す。
  • 国民の審査に付した裁判官は、投票数の過半数が裁判官の罷免を可とするとき、罷免される。

第九十五条

  • 裁判官は、公の弾劾によらなければ、その職を罷免される事はない。
  • 弾劾は、法律で定めるところにより、両議院の議員で組織する弾劾裁判所で行う。

第九十六条

  • 裁判官の任期は、五年とし、再任されることができる。ただし、法律の定める年齢に達したときに退官する。

第九十七条

  • 裁判の対審・判決は公開する。ただし、安寧と秩序及び風俗を害する恐れがあるときは、法律により又は裁判所の決議により、対審の公開を停止することができる。

解説

  • 帝国憲法を基礎に構築していますが、内容は現行憲法下とほぼ同じです。
  • 憲法裁判所は、現行憲法下の秩序維持の観点から、取り入れていません。
  • 軍事裁判所は、国軍内組織の軍法会議として国防の章に明記しています。
  • 三権分立の堅持を目的に、国民審査や裁判員の任期を変更し、国民による司法への関与を強化しましたが、議論の余地は大きいと思います。

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